代々木へブルーノ・カニーノの弾くバッハ、ブラームス、ベートヴェンを聴きに行きました。ナポリ出身88歳のピアニストで、私が高校生の頃、父親のレコードで聴いてとても好きでした。私たちが居るこの場所と確かに繋がる、彼が創る額縁の中の音の世界を、左手がその世界の質感を、その重さや軽さを、その密度を色を、営みのすべてを描き出して表しているようでした。

その質量だから、その色なのだから必然があってこのリズムに設定されるのだと解るようでした。

それでいいんだ、大丈夫。世の中はさりげなく、軽く、大切に触れれば全てはこんなに愉しく美しい。とでも言っているようにビートを刻み、奇跡の色形のようなアルペジオに乗せて拡げて見せてくれました。


弾いている時に頭が揺れない。それは絵を描くために、共有するために必要なこと。額縁が揺れたら見えなくなってしまうから。。と目に見えないものが教えてくれたようでした。

Akane Angelo Bossa nova Classics

Acoustic Duo from Shownan

0コメント

  • 1000 / 1000